星組 紅咲さんのサヨナラインタビュー&月組 アツアツ君　2024/11/22

まだ卒業した実感はあまりないけれど、少しほっとしている自分もいる。ただ、宝塚大劇場の舞台を見て「この舞台に立ちたい」と思ったあの気持ちを思い出すと、もうここに立つことがないんだと思うと、やっぱり寂しさがこみ上げてくる。

最初に自分が登場する場面は、お芝居の色が一気に伝わる大事なところ。だからこそ、自分の気持ちをしっかり作り込んで挑んでいる。そして、主要なメンバーたちと一緒に踊って歌う場面では、毎日心から楽しさを感じている。

星組らしい熱さがあふれるショーで、とてもやりがいがあるし、これまで出演したショーの中で一番好きな作品。ニック先生が手がけた振り付けの場面では、今までにない斬新な構成や動きが詰まっていて、とにかく楽しい。それに、礼さんと少し踊らせていただく場面もあり、礼さんが毎回違う表情を見せてくださるのを間近で感じられるのが、本当に幸せだと思う。
フィナーレでは、礼さんと娘役が共演する場面があり、平澤先生による素晴らしい振り付けが魅力的。さらに、礼さんが歌う歌詞がとても美しくて、この場面が大好き。

初めて出演した小劇場の作品で、初めて役をいただいたのが、礼さんと有沙さんの息子「星丸」だった。何をどうしていいのか全くわからず、まさに手も足も出ない状態だったけれど、上級生の方々が手を差し伸べて引っ張ってくれた。そのとき、「星組に入れて本当によかった」と心から思った、大切な思い出が詰まった作品。
男役としても立たせていただき、初めて刀や槍を持って立ち回りを経験した。どう努力しても男役らしく見せる難しさに直面し、そのとき初めて、男役の方々の凄さを実感した瞬間でもあった。

久しぶりに再開した新人公演で、その喜びを全身でかみしめながら取り組んだ作品。娘役7人が立ち回りで男役を倒すという場面の1人を演じたが、娘役が立ち回りをする機会はめったになく、7人で何度も自主稽古を重ねた。敵役の男役さんたちとも立ち回りの動きを合わせたり、お芝居についてたくさん話し合いながら、一緒に作り上げた大切なシーンだった。

上級生として自分が3番目という立場で、下級生を率いる難しさを知ることになった作品。一人ひとりが1曲歌う機会をいただき、好きな曲を選べたことが特に思い出に残っている。二幕の冒頭では、森先生によるコンテンポラリーダンスを初めて踊る経験もあった。一つひとつの振り付けに物語が込められていて、とても新鮮で楽しい時間だった。

一言で言うなら、本当に楽しかった。色んなことがあったけど、どんな壁にぶつかっても同期がいたから乗り越えられた瞬間が何度もあった。今、上級生になった自分がこうして楽しく幸せに毎日を過ごせているのも、同期の存在があるからこそだと思う。
終わりがあるからこそ、儚くて愛おしい時間だなと感じる。