星組 煌さんのサヨナラインタビュー＆月組 風間さんのジェスチャー　2024/11/25

千秋楽の日は、朝の入りからたくさんの愛に包まれた特別な一日だった。
お客様やファンの方々の笑顔に迎えられ、中に入ると星組の皆さんの笑顔が待っていて、心がぽかぽかと温かくなり、幸せで満たされた時間だった。

お稽古場の時から、下級生や同期のみんなと一緒にお芝居ができたことが本当に嬉しかった。
コメディー作品ということもあり、たくさんの笑いと笑顔に包まれながら最後の公演を迎えられたことに、心から幸せを感じている。
演じたのは「アルゼンチン大使代理」という役で、聡子（演：舞空瞳）の素晴らしいナンバーの後に続く場面だったから、ナンバーに負けないキャラクターづくりと勢いを大切にしながらお稽古に励んだ。

銀橋に男役が並び、ライトがパッと点いた瞬間のお客様の反応を感じるたびに、「男役をやっていてよかった」と心の底から思う。
フィナーレナンバーは、星組らしいオラオラした素敵なナンバーをつけてもらえて、特に最初の階段で逆三角形に立つ板付きの場面が、今の星組らしさを存分に表現できるシーンになっている。毎日やっていて本当に楽しい。
中詰めでは、同期男役3人で黄色チームに。演出の竹田先生と振付の百花先生の愛がたっぷり込められていて、極美慎、希沙薫、そして自分のために3人が見えるポーズを作ってくださった。毎日飛びながら挑戦しているので難しいけれど、同期3人のポーズを崩さないよう全力で取り組んでいる。

長の期の作品であり、最後の新人公演。稽古が始まる前から、同期で「100期が引っ張っていかないといけない公演だね」と話し合い、この公演をみんなで成功させたいという思いが強かった。何度も話し合い、時には言い合いながら作り上げた作品はとても良いものになり、自分の中で深く心に残るものとなった。
新人公演で自分が演じたのは、尊敬する大輝真琴さんが務めた「百央びゃくおう」の役。初めて台本を読んだとき、その繊細さが印象的で「この役を演じたい」と心から思った。新人公演の配役発表が待ち遠しくて仕方なかったのを覚えている。
しかも、この役には大好きな殺陣のシーンがたくさんあって、思いきり立ち回りができたのが本当に幸せだった。

これまで小池先生の作品に出演する機会はあったものの、民衆の役を演じることはなかなかなく、ずっと憧れていた。だから、『1789』で念願の民衆役をいただけたときは、本当に嬉しかった。
特に好きだったのは、二幕冒頭の極美のロベスピエールのナンバーの場面。とても大変だったけれど、踊りながら毎日鳥肌が立つほど楽しくて、心から楽しめる瞬間だった。

パターソン将官役を務めるにあたり、11年間の男役としての経験をすべて出し切らなければならないと強く感じた。礼さんより上の立場の人物に見せなければ作品が成立しないと思い、貫禄と威厳を出せるようにお稽古に励んだ。
また、礼さんの隣で踊るシーンがいくつもあり、礼さんの姿勢や成長ぶりを目の当たりにして、私ももっと頑張らなくてはと感じた。礼さん率いる星組にいることは、私にとって本当に宝物のような経験だと思う。
礼さんが出演者全員に向かって歌うシーンでは、自然と涙がこぼれた。
役として、また自分としても毎公演多くのことを考えさせられ、心が揺さぶられる日々だった。

音楽学校の時、同期が本当に凄い人たちばかりで、何とかして追いつかなければと必死に努力していた。でも、同期はみんな温かくて面白いメンバーばかりで、その支えのおかげでここまで来ることができた。
劇団に入ってからは、星組の「絶対に見捨てない」という精神に何度も助けられた。辛いことや悩んでいることがあっても、必ず手を差し伸べてくれる組の仲間たちがいたからこそ、11年間頑張り続けることができた。